俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「あの男とは一緒じゃなくて良かった。一緒にやってたら俺、確実に食われそう…」
反対側のコートでシャトルランをしている黒光り君を指座して言う俺。
「ははは。間違いないわ」
俺の言葉に笑うコイツは、今日1日同じグループでテストをやってきた飛鳥って奴。
なんとなく話しやすい奴で、俺としては珍しくすぐに打ち解けていた。
「顔も点数に加算されんなら俺受かる自信あんだけどな」
「はぁ?どんなだよ…」
悪ノリする俺に尽かさずツッコむ感じはちょっと春馬に似ている。
「飛鳥はなんでここ受験してんの?」
「俺はスポーツ療養士目指してて。そっちは?」
「俺は彼女がここ受けるから」
そんな俺の言葉に飛鳥は目を丸くした。
「え、マジっすか。熱いねぇ…もう付き合って結構たつの?」
飛鳥の言葉に俺は頷く。
「うわ――いいなぁ♪」
飛鳥は興味深げに笑った。
「んだよ…///彼女と居たくてここまで来るとか馬鹿って思ってんの?」
飛鳥があんまり笑うから、俺はつい恥ずかしくなった。