俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
そんな俺に飛鳥は笑顔で言う。


「まさか。俺、ヒロキの気持ちすげー分かるもん」


「マジで?」


俺の言葉にうんうんと頷く飛鳥。


「俺もすげー好きな子がいたから…分かるんだって」


「…………」


そう言った飛鳥の顔はなぜだかあまりにも優しくて


そしてどこか切なくて


俺はその事についてはそれ以上は聞かなかった。










長い長い2日間が、そして辛かった受験生活がようやく終わった。


もう暗くなった空の下、暖かい電車に揺られて帰る。


受験がすんだらやりたい事がたくさんあったのに


終わってみるとどれも対してやる気にならなかった。


思っていたより開放的もない。


なんだか終わった実感がしないというか、


本当にこれで決まってしまうのか?という感じだった。


学科の違う加奈子も試験日は同じだった。


加奈子はもう家についてるだろうか?







なんにせよ、あとは結果を待つのみ。




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