俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
―――――――‥
―――…






2月の終わり





学校から帰ると家のポストに一通の封筒が入っていた。


んぁ?


入れたままのチラシをかき分け強引にポストに手を突っ込む俺。


いい加減このDMの山を捨てなきゃな…とか思いつつ


手紙を手にした瞬間、俺は思わずポストの前で体が固まってしまった。


「は………」


来た。


ついに来た。


それはA南大学からの合否の通知だった。


「……………」


少しの間、手紙とにらみ合いをした俺は、その場でビリビリと封筒を開いた。


ビリビリ

ドキドキ…





落ちてるかもしれない。


いや、落ちてるだろうな



自分に対する防衛心か、無意識に嫌な結果を予感して、息が苦しくなる。









「……!!!」


しかし

封筒の中には合格通知書と今後の手続きの案内書が入ってあった。


「え……」


マ…マジで…?


俺は目をぱちぱちさせた。


信じられないことに俺はA南大学に合格していた。


「はは…え?マジで??」


紙切れが嘘を付いてるんじゃないかと感じた。


俺はもう一度書面を読み返す。


しかしそれはやっぱり合格通知書で。


「!!!!!」



気付くと俺は加奈子に電話をしていた。






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