俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
―――瞬間


じゃりっと冷たい砂の温度が背中に広がり、眼前に青い空が広がった。


こんな風に、地べたに寝て空を見るのはどのぐらいぶりだろう?


青い空はやけに綺麗で、なんだか切なかった。



俺たち4人にとって、この海は特別な場所だった。


あれから色々あったけど


どこかでこのまま、ずっとこんな時間が続くと思っていた。



永遠なんて、どこにもないのに







「あ――…」


なんか、やべぇ


そのまま俺は砂浜に大の字になった。


なんで、続くのが当たり前だと思っていたんだろう。


もっと一瞬一瞬を、大切にすればよかった。


時間とはなんて儚いものなんだろう



「なんか~淋しい~」


俺は吐き捨てるように叫んだ。


「卒業したくね~」



そんな俺に加奈子と愛子ちゃんが笑った。


でも笑いながらどこか淋しそうな顔をしている。










「つーか…寒いし」


春馬はポケットに手を突っ込むと呟いた。



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