俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
だけど


そっぽを向いた春馬の耳が、わずかだが赤く染まっている。


それを見て俺は思わずにやけた。


やべ…

春馬が可愛くてウケる


「お前…やっぱうざいわ」


「はは、知ってる♪」


「んなのいちいち言わなくても…」


春馬は気だるくポリポリと頭をかくと、おもむろに机から腰をあげた。


そしてなぜか俺と正面を向いた状態で腰を落とし直した。


春馬の切れ長な目が俺を正面から見つめる。


お…?


春馬の整った顔に見つめられて俺はなぜかちょっとドキドキした。


なにこれ?

ここにきてまさかのBLに展開すんの?



な~んて

キモい冗談は置いといて


だけど春馬とはもう何年もずっと一緒なのに


思えばこんなに顔をちゃんと見る機会は考えたらあまりなかったな…



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