俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~

卒業式

―――卒業式









体育館に校歌が響く。



青く晴れ渡る冬空の下、俺たちの卒業式は無事に執り行われた。









「や~べ~泣ける」



卒業式が済んだ教室。


各々が別れと感動を分かち合っている中


ズズッと春馬の制服の袖で涙を拭く俺に、春馬は露骨に迷惑な顔をしている。


「…泣くなら一人でやれ」


「はぁ?!春馬がいるから泣いてんだろ~?」


「…………」


「は~る゙~ま~」


「うざ…」



大袈裟に鼻をすする俺に対して、春馬は相変わらずクールだ。




その時


女の子達が近付いてきた。


「ヒロキくん!ボタンちょ~だい」


一人では恥ずかしいのか複数の群できた女子。



「え~?いいけど高いよ?」


俺はサービスにニヤリと笑った。


そんな俺の笑顔に女の子が悲鳴をあげる。


くくっ…

気持ちい~


俺は第二ボタンだけ引きちぎると、制服を脱ぎ女子に渡した。


「あとは好きにしてい~よ」


第二ボタンだけは加奈子にあげよう。



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