俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「え?なんか落ちたよ!?」


加奈子はさっとそれを拾う。


「わぁぁ!なんでもないって!マジ返して!!」

俺は慌てて加奈子からそれを取ろうとする。







しかし、既に手遅れだったようで。




加奈子はそれをマジマジと見つめながら…




「え…もしかして、これって…」


加奈子は目を真ん丸にして俺を見た。


「これって……これってまさか…あたしに?」


「………」







最悪だ。


なにやってんの俺。


この後の、いろいろなロマンチックな予定が……








だけど、加奈子はフッと笑う。


「な~んて、まさかね?なに言ってんだろあたし」


加奈子はそう言うと、その指輪を俺に差し出した。


「はい、これ返すね」








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