俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
それから、親族揃っての顔合わせを済ませ、



式の進行について簡単な説明を受けた。



教会の控室で


入場の時を待つ、俺と加奈子と加奈子パパ。


緊張する俺たちに、神父は色々と話をしてくれていた。


その半分も、頭には入ってこなかったけど…



時間がきて、俺と神父だけが、先に教会に入る。


この時、俺の緊張は、最高潮に達していた。



やべぇ…


腹が痛くなってきたんですけど。


「リラックス、シテクダサイ」


神父がそっと言ってくれたが、効果はない。


教会内にパイプオルガンが響きわたり


俺と神父は十字架の前に向かって歩き出す。



心拍数が半端なく…


来場客の顔を見る余裕もない。










「それでは、まもなく新婦のご入場です。皆様、ご起立でお迎えください」



俺はゆっくりと振り返って、加奈子が来るのを見守った。


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