俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
披露宴も終盤に差し掛かると


ヴァイオリンの生演奏の中、
加奈子の両親にあてた手紙の朗読が始まった。


俺はそんな加奈子の為にマイクをそっと持ってあげる。


加奈子は涙を流しながら、お兄ちゃんと両親に手紙を読んだ。


その手紙からは……


加奈子が今までどれだけ大切に育てられていたかが、ひしひしと伝ってきた。


テーブル席では加奈子のご両親も涙を流している。


ご両親の愛情を一心に受け、育ってきた加奈子。


その加奈子を、俺は今日譲り受ける。


加奈子の一生を、俺に託してもらうんだ。





俺は今もう一度、心に深く誓った。


加奈子……


俺、加奈子の事、一生大切にするから。



< 270 / 280 >

この作品をシェア

pagetop