俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「やっぱ旨い」


俺は率先してケーキを食った。


加奈子ちゃんや愛子ちゃんも、美味しそうに食べていた。


有り難くケーキを食い終えると
俺達は2階の春馬の部屋へと向かった。


広い部屋はいつきてもシンプルなインテリアで品よく整っている。


「ほらよ」


春馬はさっそく課題を俺に渡した。


こんなに大量の課題を、もう仕上げてる春馬。


「どうも~♪」


俺はそれを受け取ると、持ってきた自分の答案に写す。


「え?まさかヒロキくん答え写すの?」


そんな俺の行為を見て、信じられないという感じで加奈子ちゃんが声をあげる。


「加奈子ちゃんも部活で忙しいんだし写せばいいじゃん?」


俺は首を傾げながら加奈子ちゃんに笑いかけた。


「そんなこと私はしないもん」


加奈子ちゃんは俺を叱るような目で見つつも頬を染めた。


< 32 / 280 >

この作品をシェア

pagetop