俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
―――しばらくして


ようやく二人が戻ってきた。



「なぁ春馬~課題、写し終わんねぇから借りて帰ってい?」


俺はダラダラと床に寝そべり、ゲームをしながら言った。


「…好きにしろ」


相変わらず無愛想な春馬の返事


そんな春馬に加奈子ちゃんは
課題をパラパラめくりながら言った。


「まだ夏休み始まってすぐなのにもう課題おわらせてるなんて、なんか王子くん意外だよ~」


「そんなん…だらだらやる方が面倒だろ…」


ドサッとベッドに腰をかける春馬。


だらだらやる方が面倒とか…

俺とはえらい違いだよな。



「春馬はこう見えて英才教育だからな」


俺はコントローラーを連打しながら言った。


「空手もやってるし楽器も弾けるし―…ってヤベぇ負ける!」


俺は画面の中の敵と戦いながら
自分で自分の首を絞める発言をした。



わざわざ劣等感を感じるような事を言って何がしたいのか。


なんで俺はこんななんだろう


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