俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「実はさ…フラれた日に加奈子ちゃんがずっと傍にいてくれたんよな」


《そうか》


「めっちゃ優しくてさ…なんか愛子ちゃんと加奈子ちゃんて、そゆとこ似てるよな」


《まぁ…そうか》


「うん。俺、加奈子ちゃんいなかったらあの日海に身投げしてたかも」


なんだか余裕を取り戻した俺はいつもの軽快トークを取り戻していた。


《……悪かったな…》


「ははは♪まぁしゃあねえもんな。あ!てか、勘違いすんなよ?愛子ちゃんの代わりに好きになったとかではないからな?」


《あぁ、わかるよ》


「ん。まぁまた詳しくは直接話すわ」


《いや…別にいいわ》


元気を取り戻した俺に対して、露骨な程めんどくさそうな声を出す春馬。


俺は思わず笑ってしまう。


「いや、そこは聞けよ」


《てか…もう寝たい》


「あ、んじゃ俺も寝るわ♪」


《………》


春馬はそのまま電話を切った。


「…………」


春馬はやっぱりスゲーやつだ。

いや、俺が単純なのか?


よくわかんねぇけど春馬に感謝しつつ、俺は自信を取り戻していた。



俺は加奈子ちゃんが好きだ。


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