俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
俺はザバッとプールから上がると急いで加奈子ちゃんを追いかけた。


「加奈子ちゃん!」



ピッピ―――ッ!

プールサイドを走ると監視員に笛を吹かれた。


くそッ…!

俺めっちゃダサいし



俺はなんとか加奈子ちゃんに追い付くとの、その腕を捕まえた。


「加奈子ちゃん。聞いてよ」


「………」


歩みを止めた加奈子ちゃんは、小さく俺を振り返った。


その瞳には涙がたまっている。


「もぉやだ…」


「…加奈子ちゃ」


「片思いツラい」


加奈子ちゃんの瞳から大粒の涙がこぼれた。


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