俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「一緒にいたいけど。適当な遊び相手にされるのはやだ。ヒロキくんが好き過ぎてツラいの」
そしてぽろぽろと泣き出す加奈子ちゃん。
プールサイドで立ち尽くし泣き出す加奈子ちゃんと俺を
スレ違うカップルが興味本意でチラチラみた。
「ごめん…」
俺は加奈子ちゃんに謝った。
片思いのツラさは俺だって痛いほど分かっていたのに。
俺は加奈子ちゃんの気持ちをまた無視して最低なことをしてしまった。
「ごめんね加奈子ちゃん」
俺は加奈子ちゃんの涙を指でぬぐった。
「だけど…いい加減な気持ちで抱きしめた訳じゃないから」
俺は涙を流す加奈子ちゃんを見つめた。
俺なんかのために本気で涙を流す加奈子ちゃん。
少し焼けた加奈子ちゃんの肌に流れる涙がまぶしい。
こんな時なのに
加奈子ちゃんに触れたくてたまらない。
そんな俺は不謹慎かもしれない
「俺…加奈子ちゃんが好きなんだ」