俺はお前だけの王子さま～ヒロキと加奈子～

嫉妬

加奈子ちゃんの試合当日。


Ｎ校の体育館にはすでにギャラリーが沢山いた。


体育館の反面では男子の練習試合も行われるらしく


体育館の中は試合前から熱気に包まれていた。


俺は２階の応援スペースから、１人コートを眺める。


春馬も誘ったけどアイツは生憎今日は家庭教師らしい。


見下ろしたコートでは試合前の各高校の練習が行われていた。


俺は加奈子ちゃんの姿を探す。


「お、いたいた♪」


加奈子ちゃんはユニフォーム姿で髪をポニーテールにしていた。


暑い体育館の中で飛び交うバレーボール。


かけ声をかけながら真剣な表情で汗を流す加奈子ちゃんは爽やかだった。


時折、チームメイトと笑いあう加奈子ちゃん。


こうして客観的に眺めていると加奈子ちゃんは特別可愛い子とかじゃない。


特別スタイルが良い訳でもない


好きになってからこそ、めちゃくちゃ可愛いとか思ってるけど



ごくごく標準的な女の子だ。