俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「…………」


俺はベンチから立ち上がると、その子の腕を捕まえた。


「え?」


驚きながら振り返えるその子に


「遊んでやろうか?」


俺が耳元で囁くと
その子は赤い顔をした。


「え?遊ぶって?」


上目遣いで俺を見るその子。


つ―か…いきなり純情ぶられてもウザいだけだから。


「面倒くさいからさっさとヤろうよ」


俺は強引に体育館裏にその子を引っ張り込むと


その子を壁に押し付けた。


苛々する。

どーでもいい。

とにかくただ…


この気持ち悪くて虚しい気持ちを吐き出したい。



「やっ…そんなつもりじゃなくて…」


両手を俺に押さえられたその子はためらいがちに俺を見た。



そんなつもりじゃなくて?


じゃあどんなつもりでナンパしてんだよ。


俺はそんな訴えは無視して無理やり唇をふさいだ。



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