俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
―――――…


俺がさっきのベンチで項垂れていると、


体育館からひときわ長いホイッスルが聞こえてきた。


どうやら試合が終わったらしい。


それを合図に体育館からうちの高校のユニフォームを着た生徒が数人出てきた。


みんな汗をかいていて、スッキリした顔をしている。


そして自販機にジュースを買いにきた数人が俺に気付いた。


「うそ―…白王子が応援に来てくれてるよ///」


「まじで?誰の応援だろ?」


こんな俺が白王子か…

なんだか笑えてくる。




――その時


体育館からさっき加奈子ちゃんと話していた男が出てきた。


瞬間的に心がざわつく。


汗をかいたソイツは、体育館横の水道で顔を洗っていた。


「………」


俺は自販機前で俺に気付いてくれた女の子に話しかけた。


「ねぇ。」


「!?は、はい?///」


慌てふためく女の子たち。


「あの水道んとこの…あの男って何年?」


「え?小森君?小森君は2年だよ」


……小森っつうのか。


俺と同じ学年だけどあんなやつ初めて知った。


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