学園へ、ようこそ!




「この度、お初にお目にかかります。
天野 洸太(アマノ コウタ)と申します。
本名は、アルフレッド・ジークです。

どちらともお好きなほうで呼んでください。」



私の前に跪いて、手をとると
手の甲にキスを落とす。
やわらかい唇の感覚に
思わず身震いをすると
苦笑いされちゃった。



「私は、桜様のお父様。
源一郎様に頼まれてお迎えに上がりました。」

『パパに!?』



おかしい…!
だって、パパは普通の会社員なのに
こんな様付けされるような役職じゃない…

でも、葵と知り合いってことは…
誘拐犯でないのは確かだよね…?



「洸太。
桜は、源一郎さんが
俺達の学園の理事長ってことを
まだ知らない。」

「なるほど…
そういうことですか。
だから、こんなに
驚かれているのですね(苦笑)」

『理事長!!?
どういうこと!!!!???

って、いつの間にか恵美がいないし!!』

「彼女には、大変申し訳ございませんが
ご退席願いました。」



と、いうか…
あの、私たちの周りを黒いスーツの人たちが
囲んでバリケードみたいになってるのは
なぜなの………??





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