ドッペルゲンガー
第九章 バカが二人!?
海斗は急いで着替え、チャリにまたがり学校に着くまでに二、三回コケながらも自己新を叩き出した。


「ハァ、ハァ、10時4分。やればできる子だな、海斗。」


自画自賛しながら体育館の裏へと向かう。
しかし、そこに待っていたのはドッペルゲンガーではなくトミーだった。


「よぉ、相棒。まずシャツ反対、チャック全開、多少の流血はおいといて‥これを見ろ。」


トミーが差し出したのはまたしても紙だった。
見てみるとこう走り書きしてあった。


『すまん、午後10時だ』


海斗はすぐさまトミーをビンタした。トミーも反射的に海斗にビンタをやり返した。


「相棒、目が覚めたよ。」


「それはよかった、オレもだ。」


海斗はトミーと共に、教室へと向かった。
まず高岡先生から短めの説教を受けた後、保健室へと送り出された。


「ったく、ドッペルゲンガーの奴バカだろ。
今日会ったらボコボコにしてやるぜ。」


海斗は愚痴りながら保健室へと入った。


「おはよう!昨日はよく眠れたようね。」


「はい、必要以上に。」


海斗は高岡先生からの伝言を渡した。


「あらあら、寝坊はよくないわね。早く教室へ戻すように書いてあるわ。」


三上先生は脱脂綿に消毒液をひたしながら言う。


「イテテテ、しみますよ先生!」


しかし、三上先生はおかまいなしにグリグリと傷口に押し付ける。


「目が覚めたでしょ?はい、後は安静にしとくこと。あと、チャック全開。セクハラで訴えるわよ!さぁ行きなさい。」


海斗はぶつぶつ文句を言いながら保健室を出ていった。
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