ドッペルゲンガー

「オレはお前が帰った後、駅前のゲーセンに寄ったんだよ。
そしたら駅前で人だかりができてて、覗いてみたら警官に連行されるお前がいたんだよ。」


そこまで言うとまた笑いが起きた。
海斗はありもしないデタラメを言い出すトミーに友達といえど我慢の限界だった。


「はぁ？なにデタラメ言ってんだよ！オレは昨日家に帰ったんだ。アリババだって証明できるぞ！」


「それを言うならアリバイだろ？そろそろ素直に認めろよ。痴漢で捕まりましたってな。」


気付いたらトミーを殴っていた。さっきまで騒がしかった教室がシーンと静まり返る。


トミーは倒れた椅子を戻し頬をさすりながら、あきれた表情で言った。


「お前が警察沙汰になったことは学校にも伝わってる。今にわかるさ。」