マイ☆ブラザー
「んん~、寒……。」
そう言いながら、体を起こしたのは、藤村勇緒(いさお)。
私の2つ年上のお兄ちゃんだ。
「おはよう、ゆうちゃん。」
私は、勇緒の「勇」という字をとって、「ゆうちゃん」と呼んでいる。
幼かった私が「勇」という字を読めなかったのが、始まりだったが、今ではそれもすっかり馴染んでいた。
「おはよう。」
「ゆうちゃん。悪いんだけど、シン起こしておいてくれる?」
「うん…。」