マイ☆ブラザー
ゆうちゃんは、むっくりと起き上がると寝ぼけた目を擦りながら、部屋を出ていく。
ちなみに、「シン」というのは私の弟で、本名は藤村新(あらた)。
1つ年下の中学3年生だ。
「…よし!!私もお父さんを起こさないと…。」
私もゆうちゃんに続いて部屋を出ると、二階の一番奥にある父の部屋へと向かった。
コンコンッ
「お父さん?起きてる~?」
「……。」
……?
寝てるのかな…?
ガチャ……
ゆっくりとドアを開け、中に入ると、そこに父の姿はなかった。
代わりにあったのは、キレイに整頓された仕事机の上の一枚の紙。
それには、こう書かれていた。
[ なつめへ
ごめん。急患が入ったから病院に行く。ご飯とかは、適当に済ますから。 父さんより]