マイ☆ブラザー
「父さんも、いつも大変だな…。」
そう。
朝、父がいないのなんて、珍しくも何もないのだ。
私の父、藤村一義(かずよし)は外科医。
急患が入れば、夜中であろうと病院に駆けつけるのだ。
「なつめ~、ご飯まだ~?」
そう言いながら、部屋に入って来たのは…
「シン。おはよう。」
「ん。…それより、ご飯は?」
「はぁ~…。」
「なぁ、なつめ~。ご飯。」
「作ってあるから、盛って食べててくれる?」
私も、着替えたり準備したいんだけど…。
「えぇ~、面倒くさ!!」
「……。」
シンは、自己中だ。
見た目は、中学校の学ランが似合わないほど長身で、大人っぽいのに。
自分のことは何一つできない。