死神の契約
悠斗の家から駅までは若干遠く、わりと歩かねばならない。

と、やっと遠くに駅が見えてきた。

「ちょっとぎりぎりだね、急ぐよ！」

マナに急かされ歩くスピードをあげる。

ふと、前から見たことのあるような集団がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。

瞬間、悠斗に今まで味わったことのないような嫌な予感が襲いかかった。

「あれあれ～？昨日のやつじゃん。この時間に私服でうろついて何しちゃってんの？」

昨日、校門でマナに絡んでた不良達であった。

「急いでるんでどけてください」

マナが不良達を掻き分けて先に進もうとしたがすぐに塞がれた。


「二人で学校さぼってお出かけ？」

不良のリーダー格の男が悠斗を睨み付ける。

「すいません…お願いします。見逃してください」

「ふーん…じゃあ財布出せ、それで勘弁してやる。もちろん二人分だぞ」

「…本当にすいません…勘弁してください…」

リーダー格は面倒くさそうに舌打ちをした。

「お前は世の中を舐めてるな…強いものには大人しくまかれとけってことだ」

その瞬間リーダー格の拳が悠斗の腹へと食い込んだ。

「がはっ！ぐぁ…はぁ…はぁ…」

悠斗は地面へと崩れ落ちた。

「ゆうくん！！」

マナの声が大空の下こだまする。
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