死神の契約
「おい、とっとと歩け」

マナを押さえつけてる男がマナを引っ張り歩かせようとするが、２、３歩足を進めると突如として立ち止まり動かなくなった。

「お前もあそこで寝てる男と同じで痛い目みないとわからないのか？」

不良はマナを睨み付けるがマナは遠くの方を虚ろな瞳でただ呆然と眺めていた。

「お、おい…聞いてるのか？」

無理矢理歩かせようとして力を入れてひっぱってみるがマナはまったく動かない。

「どうした？」

リーダー格が動かなくなったマナに近付く。

マナは立ち止まったまま特に反応を示すことはなかった。

「いや、なんかこいつ…いきなり立ち止まったと思ったら返事もしなくなって…なんか様子がおかしい…」

「ふむ、たしかにさっきまでと雰囲気が違うな」

リーダー格もマナの異常な様子に戸惑いを隠せなかった。


「…ククク…アハハハハ！アハハハハハ！」


今まで無表情に立ち尽くしていたマナが突然声を出して笑いだした。

「お、おい…な、なんだよこいつ…」

あまりの出来事に不良達は皆、一歩二歩と後退りし、マナから少し距離をおいた。
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