死神の契約
突然笑いだしたマナだが、またピタリと笑うのをやめ、今度は不良達をじっと見つめた。

「なんだよこいつ…恐怖で気でも狂ったのか…」

不良達は皆、マナにただならぬ気配を感じた。

と、マナは口元に軽く笑みを浮かべるとゆっくりと右腕を上げ、頭上へともってきた。

一呼吸おき、次の瞬間マナの手のひらから眩い光が発せられ、不良達は皆目を背けた。

「なんだよ…一体何が起こってるんだよ!」

不良の一人が喚くように大声をあげた。

「落ち着けって!情けない声出すなよ!」

リーダー格も皆を落ち着かせるためになんとか大声をあげ励ます。

眩い光がおさまり、ゆっくりと目をあけマナの方を見たリーダー格は唖然とした。

「マジかよ…」

そこには先ほどまではたしかになかった、大鎌を握ったマナの姿があった。

「し、死にたく…」

不良の一人がそのセリフを最後まで言うことはなかった。

マナの大鎌は降り下ろされ不良達全員の体を貫通した。
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