俺らの優しいお姫様


くるりと振り返った目の前の人。



「・・・ぁ・・・」


びっくりしてる。



いやぁ、あたしも結構びっくりしたんだけど・・・・

だって、誰もいないと思ってた教室に誰かいたんだよ?そりゃぁ、驚くでしょ!!





「・・・小崎・・・さん?」


自分の世界に入り込んで目の前の人を忘れてたあたし。


「・・ぇ・・・あぁ!!えっと・・・」


えっと・・?

えっと・・・?










「・・・・誰だっけ?」


顔がわかっても名前までは出てこない。



いやね?入学してからもう1ヶ月はたったんだよ?

けど、あんまり話さない人って・・・・わかんない・・・よね?
え?わかんないよね?うん、わかんない・・・・



「・・・藤井爽、よろしくな。」

苦笑いしてる。


え・・・っと・・藤井くん。



「・・・ごめんね。」

ちょっと、恥ずかしい。ってか申し訳ない。



「いや、いいよ。あんまり話してなかったしな」


ハハッて笑ってるんだけど、どこか切ない感じがする。











< 3 / 47 >

この作品をシェア

pagetop