俺らの優しいお姫様
くるりと振り返った目の前の人。
「・・・ぁ・・・」
びっくりしてる。
いやぁ、あたしも結構びっくりしたんだけど・・・・
だって、誰もいないと思ってた教室に誰かいたんだよ?そりゃぁ、驚くでしょ!!
「・・・小崎・・・さん?」
自分の世界に入り込んで目の前の人を忘れてたあたし。
「・・ぇ・・・あぁ!!えっと・・・」
えっと・・?
えっと・・・?
「・・・・誰だっけ?」
顔がわかっても名前までは出てこない。
いやね?入学してからもう1ヶ月はたったんだよ?
けど、あんまり話さない人って・・・・わかんない・・・よね?
え?わかんないよね?うん、わかんない・・・・
「・・・藤井爽、よろしくな。」
苦笑いしてる。
え・・・っと・・藤井くん。
「・・・ごめんね。」
ちょっと、恥ずかしい。ってか申し訳ない。
「いや、いいよ。あんまり話してなかったしな」
ハハッて笑ってるんだけど、どこか切ない感じがする。