俺らの優しいお姫様
「爽ーっ。次体育ー。移動しようぜ」
遠くから俺を呼ぶ声がする。
女子も体育みたいだから、せっかく寝てるのに起こしたら申し訳ないけど・・・
起こした方が良いよな。
「おーい、優姫ー。起きろー」
「ん・・・ふぁ・・」
少し開けた虚ろな目で起き上がった。
それと同時に隠すために立てていた教科書が落ちる。
それを拾うと手渡し、がんばれよ。と言い残し移動した。
そんな俺の背後から『あのっ・・・ありがと、爽』
という声がした。
「なーなーいつから爽、優姫ってよんでんだよ」
「秘密ーっ」
「ちぇーっ」
なんて会話しながら授業が始まるのをただただ見ていた。