俺らの優しいお姫様
それから数十分、
彼は泣き続けた。
「・・・ごめん、カッコ悪いよな。」
目を伏せてハッと笑う。
「ううん、カッコ悪くなんかないよ。」
カッコ悪いくなんかないよ。
涙を流すのに、カッコいいも悪いもないから。
それに、
「藤井くんの涙は綺麗だよ。」
とっても、自分の為じゃなくて、人のために涙を流してるんだから。
誰かを思ってるんでしょ?
自分のせいだと感じてるんでしょ?
だから、
「藤木くんの涙は綺麗。ホントに、」
藤木くんは顔をあげるとあたしに笑った。
彼らしい笑顔で。
「今はまだ、泣いてもいい。けど、明日は頑張らないと。ずっと落ちこんでたらダメだよ?」
「・・・あぁ、ありがとな。」