俺らの優しいお姫様


夕日が沈み始める。


「っと、そろそろ帰るね。藤井くんはどうする?」


「俺は、クラブに顔出してから帰るわ。小崎・・・ありがとな。」


爽やかに笑った。



うん、藤井くんらしい。




「いえ、頑張って。」


おう!そう言って藤井くんは教室から出て行った。





あたしも出ようと思って椅子から立つと机の下に黒いものが落ちてる。



あたしが来る時には落ちてなかったよね・・・?





そう思って拾うと・・


それは、手首のサポーターだった。





これって・・・・藤井くんの?


もしかして・・・怪我・・・してたんだ・・・・。






「だから、あんなに哀しそうに・・・」


・・・・してたんだ。



だから、あんなに彼の涙は綺麗だったんだね・・・・。













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