【完】別れの季節、出逢いの季節-勿忘草の想い-
「「「先生ーっ!」」」

「お、今日も3人そろって登場か」


 …中学校3年間、一度もクラスが離れなかった私たち。

 当たり前のように一緒にいたから、先生にとっても普通のこと。


「…で、どうだった?」


 急に真剣な顔になった先生。

 …息を呑んだ。


「やー、俺落ちちゃいました。二人は受かってるんで安心してください」

「お前大丈夫か?男子校だろ?」

「そうですよ!3年間男だけの教室とか」


「「先生ーーーっ!!」」


 …クラスの子が来て。

 話は中断されてしまった。


「…まぁ、元気にやってけよ?ほら、これ」


「……え」


 先生が私たちに手渡したのは…勿忘草。

 卒業式に渡した青色とは違う、紫色。


「先生…」

「頑張れよ?中退とか許さないからな」


「「「…はいっ」」」

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