【完】別れの季節、出逢いの季節-勿忘草の想い-
 窓際に飾られることになった、勿忘草。


 忘れないで欲しい。

 忘れたくない。

 みんなで過ごした毎日を。


 …涙が頬を伝う。


 明日からは別々の道。

 考えたくなくても考えてしまうんだ…。



 中学校から帰ったあと、高校の説明会があった。


 勝人だけが、いない。

 その事実が、どうしようもなく今の私には重くて。

 だけど、藤架がいるのにそんなことを言えるはずもなく、モヤモヤしたままだった。


 宿題もどっさり出て、春休みも遊んでる暇なんてほとんどない。

 こんな状態で、合格の喜びを味わうことなんてほとんどできなかった。

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