【完】別れの季節、出逢いの季節-勿忘草の想い-
 一緒に登校しているうちに、全体として馴染み始めた4人。

 まだ勝人と紀野はギクシャクしているところもあるけど、1,2ヶ月で慣れるだろう。


 あれから私と紀野は急速に仲良くなった。

 藤架と紀野も、また同じように。


 藤架は相変わらずクラスでも上手くやっているようで、休み時間も彼女の周りは人が絶えない。

 それを寂しいとは思わなくなった自分も、成長したと思う。


「あー!ねぇねぇねぇそれさ、もしかして」

「新曲新曲。昨日出た奴」

「「え、それってもしかして!」」


 勝人と紀野の会話につい反応してしまった私と藤架。


「あー!まさか勝人、買ったの!?」

「え、言ってなかったっけ」

「聞いてないよー!今度貸して!」

「じゃぁその次!」

「…じゃぁあたしその次!!!」


 …改めて趣味の話をすることはあまりなかったから、ついこの間知ったんだけど。

 みんなそろって、同じバンドが好きだったという。


「今年のライブ絶対行こうねっ!!」


 電車の中だということを忘れて、ついつい盛り上がってしまう。


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