【完】別れの季節、出逢いの季節-勿忘草の想い-
「ったく。落ち着けよ藤架。おまえだけがピリピリしてる訳じゃねぇんだから。もっとリラックスしろよ」

「だって……!」

「んな焦ってもいい結果出ねぇよ?いつも通りでいいんだって」


 …何ともタイミングのいいことに。

 このセリフが終わった瞬間に、チャイムが鳴った。

 藤架は少し落ち着いた様子で、準備を始める。


 そうこうしていると理科も英語も終わってしまい…帰り道となる。


「…ごめんね」


 勝人に謝る藤架は、目を合わせようとはしない。

 ただ無機質なコンクリートの道路を見ている。


「…っ気にすんなよ!つーか藤架らしくねえっつの……っおい!?」

「三人…同じ高校行こ…って言ってた……のにっごめんなさい――――」


 藤架の目から溢れ出る涙。

 それは確実と言っていいほど、絶望に満ちた色。


 違うよ藤架。

 絶対藤架は合格するから。


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