【完】別れの季節、出逢いの季節-勿忘草の想い-
「みんな、並んで―――」


 学級委員の子が声をかけた。

 教室から次々に人が出て行く。


 次に入るときは、もう式が終わってるんだ……。


「大丈夫か?」


「へ?」


「泣きそうな顔してるけど」


 ―――見透かされてる。


 勝人も藤架も、付き合いが長いこともあって…思ってることがすぐにばれてしまう。

 時々悔しくなるけど、救われるんだ。


「せめて証書のときは泣くなよ」


「分かってるもんっ!」


「あーれ?春が声張り上げるなんて珍し」


 …本当だ……。


 前にこんなに大声出したの、いつだったっけ?

 周りの人がみんな見てる。


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