幸せの約束
幸せなんてありえない



向かいの家の車庫から車が発車する音が聞こえる。



階下からは朝食のベーコンをやく音と匂い。


あぁ、朝だ
起きなきゃ と自然に体が起き上がる。


このどちらかが欠けると
起きられないかもしれない と思うほど
日常化されている。


欠けたことはないからただの憶測である。



「藍!いつまで寝てるの!」


しかし時間通りに起きられる
最大の理由は母の怒声である。



「もう起きてる!」

< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop