幸せの約束
幸せなんてありえない
向かいの家の車庫から車が発車する音が聞こえる。
階下からは朝食のベーコンをやく音と匂い。
あぁ、朝だ
起きなきゃ と自然に体が起き上がる。
このどちらかが欠けると
起きられないかもしれない と思うほど
日常化されている。
欠けたことはないからただの憶測である。
「藍!いつまで寝てるの!」
しかし時間通りに起きられる
最大の理由は母の怒声である。
「もう起きてる!」