ONLOOKER Ⅱ
「なんか……僕のうちにあったのと全然違う気がするんですけど……」
「そーよねぇ、もっとこー……化石を掘り当てるとか、カジノとかだった気がするんだけろ」
「おかしいなー、かなり盛り上がるって言ってたから、わざわざ借りてきたのに」
聖の言葉に、直姫と真琴を除く四人が、ぴくりと反応した。
紅が口許だけ引きつった笑いを浮かべて、顔を上げる。
「一応聞くが……誰に借りたんだ……?」
「え? 涼介たちっス」
「ふにゃあああやっぱりぃぃぃ」
「あーあ、この趣味の悪さは絶対そうだと思った」
「つーかこんなんで盛り上がるのなんて、あの五人だけだよねぇ。あいつら全員サディスティック星の生まれでしょ?」
涼介というのは悠綺高校の三年生で、平たくいうところの、聖の仕事仲間である。
彼が所属する三人組アイドルグループ、『KNIGHT』のメンバーの一人であり、最年長のリーダーらしい。
そして准乃介が言う“あいつら”とは、その井上涼介をはじめとする彼の幼馴染み、東千佐都、七川光里、佐久間颯、大道寺倭のこと。
彼らがどんな人物なのかは、後々思いもよらない状況で明らかになるが、この時の直姫はそんなこと、知るよしもない。
そしてこのゲーム、どうやらその五人が金に物を言わせてわざわざ作らせた、特注品らしい。
会ったことはないものの、きっと自分とは到底仲良くなれない、というかあまりしたくもない種類の人たちなのだと、直姫は理解している。