保健室王子
第1章 君という存在
保健室
「いってきまーす」
そう言って、履きなれたローファーをはき、片手にスクールバックを持った。
そのとき「ちょっと待ってよ~」と言いながらチェックのふろしきで包まれたお弁当箱を母が持ってきた。
「忘れちゃダメでしょ」
なんていいながら母はあたしのおでこに軽くデコピンをした。
「いてっ、卵焼き入ってるよね?」
「昨日60回くらい聞いたからちゃんと入れたわよ」
「やったっ!」
そんな当たり前のやりとりをしながら玄関のノブに手をかけた。
「それじゃ、いってきます」
「いってらっしゃい」
手を振る母にあたしも手を振って新しい町へと一歩踏み出した。
今日からここがあたしたち「神田家」が暮らす「花笠町」だ。
「神田美咲(カンダ ミサキ)です。よろしくお願いします」
そして、今日からあたしは花笠高校の2年A組の生徒になる。
緊張気味のあいさつとぎこちないつくり笑顔。こんなんで友達ができるのかと心配になっていた。けれども・・
「ねぇねぇ、[美咲ちゃん]って呼んでいい?」
「へっ?あ、うん、いいよ。てか呼び捨てでいいよ」
隣の席になった可愛らしい女の子に声をかけられた。
「あたし、東間由紀(アズマ ユキ)っていうの。よろしくね」
「うん。こちらこそよろしくね」
笑うと更に可愛らしい由紀ちゃんは小柄で茶髪のツインテール。くりっとした大きい目と白い肌でまるで小動物のようだった。
そんなことを考えながら由紀ちゃんの可愛らしさに見とれていると向こうから声がした。
そう言って、履きなれたローファーをはき、片手にスクールバックを持った。
そのとき「ちょっと待ってよ~」と言いながらチェックのふろしきで包まれたお弁当箱を母が持ってきた。
「忘れちゃダメでしょ」
なんていいながら母はあたしのおでこに軽くデコピンをした。
「いてっ、卵焼き入ってるよね?」
「昨日60回くらい聞いたからちゃんと入れたわよ」
「やったっ!」
そんな当たり前のやりとりをしながら玄関のノブに手をかけた。
「それじゃ、いってきます」
「いってらっしゃい」
手を振る母にあたしも手を振って新しい町へと一歩踏み出した。
今日からここがあたしたち「神田家」が暮らす「花笠町」だ。
「神田美咲(カンダ ミサキ)です。よろしくお願いします」
そして、今日からあたしは花笠高校の2年A組の生徒になる。
緊張気味のあいさつとぎこちないつくり笑顔。こんなんで友達ができるのかと心配になっていた。けれども・・
「ねぇねぇ、[美咲ちゃん]って呼んでいい?」
「へっ?あ、うん、いいよ。てか呼び捨てでいいよ」
隣の席になった可愛らしい女の子に声をかけられた。
「あたし、東間由紀(アズマ ユキ)っていうの。よろしくね」
「うん。こちらこそよろしくね」
笑うと更に可愛らしい由紀ちゃんは小柄で茶髪のツインテール。くりっとした大きい目と白い肌でまるで小動物のようだった。
そんなことを考えながら由紀ちゃんの可愛らしさに見とれていると向こうから声がした。