悪魔なキミと愛契約【番外編】
私が目を丸めると
「おまえにしては、理解が早いな」
口角を上げて、課長が言った。
「え、だって、婚約者は?
魔界にいるんですよね?
小さな頃から決められた、“それなりのレベル”の婚約者が」
隣から、大きなため息。
「俺、言ったよな?
顔も見たこともないって」
「……はい」
「地位だけで判断する見合いはもう飽きた」
「飽きた…って。
課長は魔界の王になる人なんですよね?
いいんですか?そんなこと言って」
「おまえな……」
課長の呆れた声。
「おまえが言ったんだろ。
反抗してみろって」