悪魔なキミと愛契約【番外編】


私が目を丸めると


「おまえにしては、理解が早いな」


口角を上げて、課長が言った。


「え、だって、婚約者は?
魔界にいるんですよね?
小さな頃から決められた、“それなりのレベル”の婚約者が」


隣から、大きなため息。


「俺、言ったよな?
顔も見たこともないって」


「……はい」


「地位だけで判断する見合いはもう飽きた」


「飽きた…って。
課長は魔界の王になる人なんですよね?
いいんですか?そんなこと言って」


「おまえな……」


課長の呆れた声。


「おまえが言ったんだろ。
反抗してみろって」



< 113 / 132 >

この作品をシェア

pagetop