悪魔なキミと愛契約【番外編】


い、言ったけど。


確かに、そう言ったけど。


それは、課長の正体をまだ知らなかったからで。


まさか魔界の王子だなんて、思わなかったし。


ただ、好きでもない人と結婚しなきゃいけないなんて、あまりにも辛すぎると思っただけで。



「課長……
私の発言、忘れて下さい」


本当に忘れて下さい。


課長は魔界を治めなきゃいけない人でしょ?


だから、“それなりのレベル”の女との結婚を強いられるんでしょ?


私にはその感覚はあまりわからないけど。


私の言う“反抗”を、簡単にしてはいけないかと……



自分で言ってしまった失敗な発言に悔やんでいると。


隣から、また大きなため息が聞こえてきた。



「今更、もうムリだ」





< 114 / 132 >

この作品をシェア

pagetop