悪魔なキミと愛契約【番外編】
い、言ったけど。
確かに、そう言ったけど。
それは、課長の正体をまだ知らなかったからで。
まさか魔界の王子だなんて、思わなかったし。
ただ、好きでもない人と結婚しなきゃいけないなんて、あまりにも辛すぎると思っただけで。
「課長……
私の発言、忘れて下さい」
本当に忘れて下さい。
課長は魔界を治めなきゃいけない人でしょ?
だから、“それなりのレベル”の女との結婚を強いられるんでしょ?
私にはその感覚はあまりわからないけど。
私の言う“反抗”を、簡単にしてはいけないかと……
自分で言ってしまった失敗な発言に悔やんでいると。
隣から、また大きなため息が聞こえてきた。
「今更、もうムリだ」