悪魔なキミと愛契約【番外編】
恋愛になんて興味ない。
男子なんてどうでもいい。
ましてや、“魔界の王子”なんて、うさん臭いヤツは論外だ。
それなのに。
こんなにも愛しくて。
こんなにも苦しくなって。
こんなにも、離れたくなくなるなんて。
私、魔力にやられたのか?
「サラ。
俺は、苦しかった。
おまえが人間界へ戻ってから、苦しくて苦しくて狂いそうになった」
「……ルカ」
「俺がこの手で、人間界へ戻したというのに……。
怖くて…仕方なかった」
ルカが右手を眺めている。
その手は小刻みに震えていて。
俯くルカのまつげが、白い肌に切なく影をつくっていた。
「サラ」
もう一度名前を呼ばれ、私はルカを見上げた。
「おまえが望むなら、俺は魔界を抜ける覚悟がある」
「………」
「魔界は兄上に任せた。
おまえが望むなら、俺は人間になる」
「……ルカ。
おまえ、正気か?」