悪魔なキミと愛契約【番外編】
迷惑そうな、その表情。
周りの女共とは違い、きちんと“自分”を持っている。
手を伸ばしたい。
今すぐ、その頬に触れたい。
俺が追いかけてきた女は、おまえだと、言いたい。
「ふーん。
いいんじゃない?別に好きな人がいても」
「はっ!?
いいんじゃない!?
あんたはアホかっ!!!!」
ベシっ――!!!!
女は、強くサラの頭を叩いた。
乱れたサラの髪。
「いったいなぁ。
なにすんの?」
髪を手で整えながら、サラはため息混じりに言った。
「サラは男子に興味がなさすぎ!!!
あたし言ったよね?サラのその冷めた態度に何人もの男子が泣いてるの!!!」
……そうなのか。
何人、も?
「だーかーらー。
そんなの梓の勘違いだから。
それに、あたし別に冷めてないから。
ただ、興味がないだけ」
「それが男子を泣かせてんのーっ!!!!」
ああ、全く。
おまえは、ほんっと。
「……っク」