悪魔なキミと愛契約【番外編】


思わず、我慢ができずに笑ってしまった。


記憶を失っても、サラはサラのままで。


狂おしいほど愛しくて。


やはり、俺は、おまえを手放せない。


「……え、なに?」


混乱しているのか、サラが目を丸めた。


「いや――…
知り合いに似ていたから」


俺は、目を細め言った。


「シキにも、見せてやりたいな」


ボソリと呟いた。


誰の耳にも入らぬよう、小さな声で。


しかし――…


「……シキ?」


俺の目の前で、サラだけが眉間にシワを寄せた。




< 14 / 132 >

この作品をシェア

pagetop