悪魔なキミと愛契約【番外編】
俺の突然の行動に、サラは怯えるように瞳を揺らした。
「…な、なに?」
目を大きく丸めて
「……ちょ、腕、痛い」
声まで震えていた。
「あ、悪い」
俺は、サラから目を逸らし手の力を弱めた。
視界の隅で、サラが腕をさすっている。
ドクン、ドクン、ドクン。
サラの腕の感触。
手を離しても、この感触と温もりは離れなかった。
高鳴る鼓動の音が、響いている。
これは、俺の?
それとも、こいつの……?
「そのネックレス、どうしたんだ?」
恐る恐る、サラの首元に視線を向けた。
「あ、ああ、これ?」
サラは、ネックレスを手に取り、俺を見た。
「不思議なんだけど、なぜか私のスカートのポケットに入ってたんだ」
ポケットに……?
「誰のかわかんないけど、なんか、なぜかすごく大切な物な気がしてさ」
「………」
「まぁ、持ち主が見つかったら返すつもりだけど、その間、ちょっとつけときたくて」
サラは肩をすくめて言ったあと
「ネックレスとかあんま興味ないのに、どうしてだろう」
と、切なそうに言葉を続けた。