悪魔なキミと愛契約【番外編】
怒らせたか?
だが、もう我慢の限界だ。
シキ、許せ。
無理矢理、コイツの記憶を戻してやる。
俺は、サラの目をジッと見つめ、サラの記憶を戻そうとした。
しかし――…
「離せよっ!!!!」
サラの怒鳴り声が、廊下中に響き渡った。
周りの視線が、俺らに集まった。
「何なんだよっ!!!!
昨日からずっと、わけわかんないことばっか!!
私に用があるなら、はっきり言えよっ!!
日本語、ちゃんと喋れんだろ?」
サラの肩が激しく上下している。
上気した頬と、つり上がった目。
ああ……
完全に、怒らせたか……
だが俺は、サラから手を離さなかった。
「……サラ」
とうとう、サラの名を口にしてしまった。
もう、歯止めはきかない。