悪魔なキミと愛契約【番外編】
「私は、何を忘れてるっていうんだ?」
更に、サラの声が震えだした。
「私が記憶喪失みたいな言い方しやがって……
私は、おまえのことなんか全然知らねぇよ!!」
「……サラ」
「ああっ!! もうっ!!
全っ然知らねぇのに…おまえの顔も、おまえの名前も知らないはずなのに……どうして、おまえを見る度に…こんなに混乱するんだよ……
私は…何を忘れてるって言うんだ……」
サラ……
おまえ……
おまえの中に、俺は少し残っているのだな?
完全に消えたわけでは、ないのだな?
「サラ……良い。
少しずつで良い。少しずつ俺の事を思い出してくれさえすれば、それで良い」
俺は、サラの頭を撫で、優しく微笑んでみせた。
「悪かったな、混乱させてしまって。
だが、ひとつだけ言っておく」
「………」
「おまえが今つけているそのネックレスと、俺は繋がっている」
「……え?」
「それは、誰かの落し物などではない。
それは、おまえの、サラのものだ。ずっとつけておけ」