悪魔なキミと愛契約【番外編】
そんなこと、わかっている。
今のアイツの中に、俺はいない。
ここで過ごしたことなど忘れて、いつもと同じ朝を迎えたはずた。
会ってどうなる……?
向こうでアイツを捕まえて、無理矢理にでも思い出させてやるか?
「ルカ様。
無理矢理記憶を戻そうなど、決してお考えにならないで下さいよ」
俺は、スクールバックとやらを肩に下げ
「この俺様が、そんなくだらないことを考えると思うか?」
シキに少し笑ってみせた。
「……ルカ様」
「なんだ?」
「お車を出します」
「よい。
自分の足で歩いて行く」
「ダメです。
お車で登校して下さい」
シキは一度言い出すとしつこいからな……。
「わかった」
「それから……」
シキは、ズンっと顔を近づけてきた。
「決して、無理矢理記憶を戻すことはおやめくださいね」
全く……
「わかったよ」