俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「俺さ出張だったから。
鹿島常務から聞いてないの?」

「…え?」

彼は最近の音信不通の種明かしをあっさりと言ってのけた。

「電話したら百合子、学校だったから伝えておいたんだけど。

だけど、聞いてないにしても、百合子がここまで暴走する程に拗ねてるなんて。

ほんと、油断できないな」

お…お母さん…。…言ってよ…。

娘が思い悩んでいるというのにっ。

クスクス笑いながら彼は私をチラッと見る。

なっ…何よ。

別に拗ねてないもん。

それに、出張とは言え、そこから連絡くらい出来るじゃないの。

「あ、連絡出来なかったのはミラノだったからだよ。」

え?

私、今、話してないよね?

何で…、考えてる事が分かるの?!

ポカンと彼を見上げる私を見ながら悠斗は、

「百合子の考えてる事くらいわかるよ。

頭ん中、丸見え」

「………」

…またしても、読まれた…。

何故?!




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