俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「本日は、誠におめでとうございます」
小肥りの男が眼鏡の隙間から俺をチラチラと見ながら、隣にいる父に挨拶をしている。
「澤乃井社長、是非とも我が社にもその恩恵を分け与えていただきたいのですが…」
「いやいや、そんな。まだまだこれからですよ。
いずれ、またご連絡致しますよ」
「あ、ありがとうございます。
ところで、こちらの男前の方は、社長のご子息でいらっしゃいますか」
げっ…。…また、俺?
「あ…、ああ、そうです。息子の悠斗です。
悠斗、三浦商事の社長さんだ。
ご挨拶しなさい」
もう、この話の流れの展開は読めている。
先ほどから何度目だろう。
「…どうも…、澤乃井悠斗です。初めまして」
「やあ、やあ、こちらこそ!三浦でございます!」
『三浦』は俺の手を無理矢理引っ張り付けて握りしめると、ブンブンと振り回しながら握手をしてくる。
きっと…この後は…。
『三浦』は手を離すと俺を見上げてニヤリと笑った。
小肥りの男が眼鏡の隙間から俺をチラチラと見ながら、隣にいる父に挨拶をしている。
「澤乃井社長、是非とも我が社にもその恩恵を分け与えていただきたいのですが…」
「いやいや、そんな。まだまだこれからですよ。
いずれ、またご連絡致しますよ」
「あ、ありがとうございます。
ところで、こちらの男前の方は、社長のご子息でいらっしゃいますか」
げっ…。…また、俺?
「あ…、ああ、そうです。息子の悠斗です。
悠斗、三浦商事の社長さんだ。
ご挨拶しなさい」
もう、この話の流れの展開は読めている。
先ほどから何度目だろう。
「…どうも…、澤乃井悠斗です。初めまして」
「やあ、やあ、こちらこそ!三浦でございます!」
『三浦』は俺の手を無理矢理引っ張り付けて握りしめると、ブンブンと振り回しながら握手をしてくる。
きっと…この後は…。
『三浦』は手を離すと俺を見上げてニヤリと笑った。