俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「ええ、是非。」

俺は彼女の向かいに腰掛けると、側の取り皿を手にした。

彼女はそんな俺に目もくれずに、すごい勢いで料理を口に運んでいる。

俺が呆気に取られていると、グラスの水をゴクゴクと一気に飲み干して、初めて俺の視線に気付き、口を開いた。

「何?、あなたも退屈してるの?」

は?…何だ、この偉そうな態度…。

俺が何も言わずにいると…。

「せっかく来たんだから、あなたも食べなさいよ。…全く、何が御曹司よ。ママったら、無理矢理引っ張ってきて。

冗談じゃないわよ。
どうせ、苦労知らずのボンボンでしょ。

…興味ないわよ。

って、…あ、あなたは男性だから目的は違うわね。

さしずめ澤乃井建設に挨拶にでも来たのでしょう?取引先も大変ね。大手のご機嫌を窺うのは」




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